2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
楽しい読み物だ、が、バルザックの本領はまだ発揮されていないか。「人間喜劇」シリーズの作品群はこんなもんじゃなかった。正直なところ、これを買うよりは藤原書店の人間喜劇セレクションをどれか一冊買ったほうが良かったかも、と思わないでもない。いや…
夜明け前のセレスティーノ (文学の冒険シリーズ)作者: レイナルドアレナス,Reinald Arenas,安藤哲行出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2002/04/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 60回この商品を含むブログ (19件) を見る
張系国『星雲組曲』とバルザック『アネットと罪人』を購入。あと、ブックオフでソルジェニーツィン『収容所群島』全6巻、ろくごまるに『食前絶後!!』、秋田禎信『閉鎖のシステム』、長谷敏司『円環少女』2・3巻、ジュースキント『香水』、シュニッツラ…
それにしても、サンリオの撤退以降フランスSFの紹介がずっと止まってしまっているのは、日本翻訳界の大きな怠慢だろう(『不安定な時間』の巻末解説を見ると、相当多数のSF作品が出版されているらしいし、そのクオリティも、『不安定な時間』の出来を見…
面白いけど、乗っていけなかった部分もあり。やはり眠くて頭が回らないときに幻想小説系のものなど読むものではないなあ。 で、ネット書評などを見ると同じ作家の『熱い太陽、深海魚』はさらに評価が高いようだ。いつかは手にしてみたいもの。 あと、amazon…
この巻の見所はやはり、美人の女騎士が二人登場するところだろう。一人はレンリー・バラシオンの近衛騎士になるブリエンヌ。そしてもう一人は、この巻で一番インパクトがある人物といってもいいアシャ・グレイジョイ。こんなすごい娘がいれば、長いことよそ…
論創社の「ドイツ現代戯曲選」全30巻のうちの第25巻。人物表の「マリー=アントワネット」と、最初の場面が月面上を舞台にしているのを見て即購入決定した。ドイツの現代文学はこれまでまったく読んでこなかったので、今後ゆるゆる渉猟していきたい。戯…
2chのバルザックスレなんかでも『ゴリオ』『ベット』『ラブイユーズ』などと並んで人気のこの作品を読了。さすがバルザック。やっぱり傑作。ローランス萌え。暗黒事件 (新潮文庫)作者: バルザック,小西茂也出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1953/10メディ…
まあこんなもんか。やっぱりアリオストは偉大だったんだなあ、というのが私の得た結論なわけだが。虎皮の騎士―ショタ・ルスタヴェリの叙事詩 (1972年)作者: ショタ・ルスタヴェリ,袋一平出版社/メーカー: 理論社発売日: 1972メディア: ? クリック: 6回この商…
黒い玉 (創元推理文庫)作者: トーマス・オーウェン,加藤尚宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/06/27メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (24件) を見る 「心配なさらなくていいわ、お金の無心じゃありませんから。じつは、とても重大…
充分おもしろかったけど、期待が大きいぶん、感想にも苦言が多くなってしまう。「黒古橋カムバック!」と叫びたい気分だ。いずれにせよ次作品は楽しみにしている。冬の巨人 (徳間デュアル文庫)作者: 古橋秀之,藤城陽出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2007/0…
いや〜暗い小説だったな〜。モルセールかダングラールみたいな奴しか出てこない岩窟王、って感じだ。主人公が最後までモンテ・クリスト伯にならずにダンテスのままだから、余計ひどいことになってる。うむ、期待通りに面白い。連城訣〈上〉菊花散る窓 (徳間…
地元の本屋へ行ったら早川・創元文庫のコーナーが思い切り縮小されていてショックを受ける。それでなくても海外文学は冷遇されているというのに。 常々よくないなあと思ってるんだよね、地方の書店が小さすぎることって。優れた本が出ていても、そもそも店に…
前のアレナスとかグゴーとかに比べるとずっと地味。しかしそれもまた味わいってもんだ。地味といっても内容が薄いわけじゃないしね。砂の都作者: マルセルブリヨン,Marcel Brion,村上光彦出版社/メーカー: 未知谷発売日: 2007/04/01メディア: 単行本 クリッ…
ライトノベル書評系のサイト各所で奇書と評されていたから興味を持って買ってみたけど、うーむそれほど変でもないなあ。キャラの立て方とか、視点の扱い方とかは面白いし見るべきところがあると思うけれど、ビリヤードのルールに沿って人や人でない連中が殺…
再確認。アレナスは天才だ。 制作年代が1965年(『百年の孤独』67年以前だ!)というのも、作者がまだ22歳だったというのも凄い。もちろんそういう周辺の事情を抜きにしても、この小説自体途方もない。国書刊行会には是非とも「苦悩の五部作」の残り…
紀伊国屋書店の新宿本店に「じんぶんや」というコーナーがあるそうな。詳しくはリンク先を見るとわかるが、要するにその月の選者になった学者や評論家が推薦する本を置いておくコーナーらしい。で、今月の選者は沼野充義センセイ。 ネット上でも推薦書目のリ…
前情報なしのタイトル買い、というか、「グゴーって名前はなんかユゴーに似てるな〜」といういい加減な理由で買ったこの本、大当たり。ブラヴォー、俺様の勘。大脱出 (1982年) (白水社世界の文学)作者: アンリ・グゴー,榊原晃三出版社/メーカー: 白水社発売…
『涼宮ハルヒの分裂』も読了。5巻以降、ちょっとマンネリの気配が漂い始めたところへ、かなり明確な敵対勢力を投入して読者の緊張を煽っている感じ。キョンの旧友・佐々木さんが女性だってのはなんとなく予想がついたけど――セリフ回しが病院坂黒猫(西尾維…
金庸だから面白くないわけはない。が、金庸にしてはそれほど面白くない。これが正直な感想。初期作品だからかね。今なら『射?英雄伝』も文庫化されているから、金庸入門にはこっちを読んだほうがよかろうと思う。碧血剣〈1〉復讐の金蛇剣 (徳間文庫)作者: 金…