書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2007-05-21から1日間の記事一覧

冲方丁『オイレンシュピーゲル 壱』

姉妹篇『スプライトシュピーゲル』に比べると、いくらか普通に近い文体で書かれている。この巻はキャラの顔見せ段階だから、まだ評価はしかねるかな。『オイレン』『スプライト』双方の続刊がどういう展開・関連を見せるか、期待したいところ。オイレンシュ…

杉井光『火目の巫女』

前半は百合萌えお気楽な雰囲気(や、主人公のコンプレックスやら葛藤やらはあるんだが)だったのが終盤一転、容赦ない展開で読ませる読ませる。で、あの残酷な結末。――うむ、これはいいぞ。『お留守バンシー』とかのまったりしたのも悪くないんだが、やっぱ…

オノレ・ド・バルザック『アネットと罪人』

これもまだまだ若書きな感じがするの〜。才能のひらめきは見せているけれども、やはり『ゴリオ』『ベット』などには及んでおらんわい。しかし、水声社のバルザック幻想・怪奇小説選集の続刊『ユルシュール・ミルエ』は「人間喜劇」シリーズの作品だから、巨…