書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

散財って楽しいよね

ガルシア・マルケス『迷宮の将軍』、ウィンターソン『灯台守の話』、佐藤哲也『ぬかるんでから』、冲方丁『オイレンシュピーゲル』『スプライトシュピーゲル』のそれぞれ三巻。さらにアラバール戯曲集を古書店に発注して到着待ち。 期待の『灯台守の話』なん…

11月注目の海外文学新刊

充実してるっちゃしてるんだが、個人的な趣味には合わないものが多数(苦笑)。ハードカバーは『ラナーク』と『通訳』、文庫は『鰐』『剣の騎士』以外は買わずにおくかも(デュマはちょっと気になる)。池澤版世界文学全集の刊行も注目だけど、『路上』は文…

気になる作家メモ

大学の図書館をぶらついていたら、アヌイとイヨネスコの作品集のあいだにアラバールという人の戯曲集を見つけた。解説を見ると、1932年生まれのスペインの作家で(ん? なんでスペイン人の戯曲がフランス文学の棚にあるのさ?)、不条理劇の名手らしい。…

ジュール・シュペルヴィエル『海に住む少女』

これを出したのは光文社古典新訳文庫屈指のファインプレーだと思う。翻訳があふれかえってる『カラマ』や『赤と黒』より、こういうのこそを出して欲しいねえ。海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)作者: シュペルヴィエル,永田千奈出版社/メーカー: 光文社発売…

ヘンリー・ジェイムズなんですけど

ブックオフにてシェイクスピア『オセロー』購入。白水版全集の収集状況は16/37冊。それと新刊で冲方丁『ばいばい、アース』の2巻。 さて、岩波文庫の今月の新刊、ヘンリー・ジェイムズ『大使たち』上巻を読み始めた……が、40ページほどであえなく挫折…

トーマス・マン『マリオと魔術師』『混乱と稚き悩み』

20世紀屈指の文豪と言われるトーマス・マンだが、『トニオ・クレーゲル』を読んだ限りでは彼の凄さはよくわからなかったんだよね。感傷的なだけに思えて。マリオと魔術師―他一篇 (角川文庫)作者: トマス・マン,竹山道雄出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1…

ハインリヒ・マン『ウンラート教授』

ハインリヒ・マンはかのトーマス・マンの兄なわけだが、知名度はぐっと下がる。そもそも彼ら兄弟が世に出たときから、トーマスが『ブッテンブローク家の人々』で大ヒットを飛ばしたのに対し、ハインリヒの『ウンラート教授』は好事家の間で話題になるにとど…

ウィンターソン『灯台守の話』立ち読み

白水社のウェブサイトで、ジャネット・ウィンターソンの新刊『灯台守の話』の冒頭部分が読めるようになっている。→http://www.hakusuisha.co.jp/topics/09200.php 多少センチメンタルすぎるかな? でも傑作のにおいがするぞ。 ところでいまハインリヒ・マン…

竹宮ゆゆこ『とらドラ3!』

とらドラ〈3!〉 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2006/09/01メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 44回この商品を含むブログ (290件) を見る 寝る前にちょっとずつのつもりがすぐ読み終えてしまったのが…

冲方丁『ばいばい、アース Ⅰ』

ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)作者: 冲方丁,キム・ヒョンテ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/09/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (106件) を見る ヒロイックファンタジー。いかなる種族的特徴もも…

私家版世界十大戯曲

私家版世界十大小説 ――after game over 先日来流行の「世界十大小説」。はじめは正統派古典中心のラインナップを組んだ方が多かったが、やがてSFの十大小説を選んだ人(十大小説が流行っている……ああ、もう我慢できない! 私もやるぞ! ――万来堂日記2nd)…

今日は大学生協で文庫新書三冊で15%オフの日。懐はすでにとぼしく、月末にはさらに『ラナーク』『灯台守の話』『迷宮の将軍』のハードカバーが控えていて、俺の理性がよせよせ次の機会にしろといっているのに、脳内彼女に抗しきれず、いつか買おうと思っ…

戯曲祭りの反省会

今度の祭りで読み終わった本。 トルストイ『ドン・ジュアン』、ティルソ『セビーリャの色事師』、ハウプトマン『織工』、シュニッツラー『輪舞』、シュヴァープ『魅惑的なアルトゥール・シュニッツラー氏の劇作による魅惑的な輪舞』、ゴルドーニ『抜目のない…

ウィリアム・シェイクスピア『テンペスト』

九日(休みを入れれば十日)にわたり、積読消化のために続けてまいりました戯曲祭りも本日で閉幕でございます。最後を飾るのは、やはりこの方でなくては。というわけでシェイクスピアの晩期傑作です。テンペスト (白水Uブックス (36))作者: ウィリアム・シェ…

ウィリアム・コングリーヴ『世の習い』

戯曲祭り八日目。飽きたから次で終わることにする。トリにはシェイクスピア『テンペスト』を持ってくる予定。世の習い (岩波文庫)作者: コングリーヴ,William Congreve,笹山隆出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/06/16メディア: 文庫 クリック: 3回この…

ウィリアム・シェイクスピア『リチャード二世』

戯曲祭り、一週間目。さて、いつまで続けたものだろう?リチャード二世 (白水Uブックス (11))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (5件) を見…

私家版世界十大小説

「あわせて読みたい」からid:natume_yoさんの「世界の果てのクロエの祈り」に飛んでみると、世界十大小説に関するエントリが書かれていた。見ると(これまたあわせて読みたいでお馴染みの)id:ryotoさんが20日に世界十大小説についてエントリを書いてから…

ハインリヒ・マンとか

ハインリヒ・マン『ウンラート教授』、ソル・フアナ『知への賛歌』購入。ついでにブックオフに寄り、シンボルスカ『終わりと始まり』、アダムス『ほとんど無害』を買った。

ゲルハルト・ハウプトマン『沈鐘』

戯曲祭り六日目。そろそろ小説が読みたくなってきた。沈鐘―独逸風の童話劇 (岩波文庫)作者: ハウプトマン,阿部六郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1934/07/15メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (2件) を見る この泪を、牧師さん、乾かす…

カルロ・ゴルドーニ『抜目のない未亡人』

戯曲祭り、休みを挟んで五日目。今日もあまりたくさん読めなかったけど、どうにかゴルドーニ一冊は読み終わったのでここに紹介。抜目のない未亡人 (岩波文庫)作者: ゴルドーニ,平川祐弘出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/08/18メディア: 文庫購入: 2人 …

戯曲祭りは本日はお休み。いや、ゴルドーニを読むつもりだったんだが、朝方無性に眠くって、まるで読めなかったのでね。祭りの今後の予定だが、ゴルドーニとハウプトマンを読んだら、2年以上積読しているコングリーヴ『世の習い』を。その次は、そうさな、…

サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』

ベケットについては、『マーフィ』とか『名づけえぬもの』とか読みかけては挫折していた私だが、ようやく一冊読了できた。読み終わってみれば、なるほど凄えや。ゴドーを待ちながら (ベスト・オブ・ベケット)作者: サミュエル・ベケット,安堂信也,高橋康也出…

ウィリアム・シェイクスピア『間違いの喜劇』

戯曲祭り四日目。 で、まずはシェイクスピア『間違いの喜劇』なんだけど、『から騒ぎ』『お気に召すまま』『十二夜』に比べると見劣りするな。シェイクスピアを全部読もうという人以外にはおすすめできないかと。間違いの喜劇 (白水Uブックス (5))作者: ウィ…

ゲルハルト・ハウプトマン『織工』

戯曲祭り三日目。今日の話題はシュニッツラーとともに、マン、ヘッセの一世代前を代表する作家ながら、昨今ではすっかり忘れられた観のあるハウプトマン。岩波でも全部絶版のようだ。さて、彼は本当に忘れてもよい作家か?織工 (岩波文庫 赤 428-1)作者: ハ…

ヴェルナー・シュヴァープ『魅惑的なアルトゥール・シュニッツラー氏の劇作による魅惑的な輪舞』

これを読むために『輪舞』を読んだようなもの。これでドイツ現代劇は15冊目、ようやく選集の半分を読んだことになる。魅惑的なアルトゥール・シュニッツラー氏の劇作による魅惑的な輪舞 (ドイツ現代戯曲選)作者: ヴェルナーシュヴァープ,Werner Schwab,寺…

アルトゥール・シュニッツラー『輪舞』

戯曲祭り二日目〜。輪舞 (岩波文庫)作者: シュニッツラー,中村政雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/07メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る(私が読んだのは新潮文庫版だが、Amazonに登録されてないので岩波版をのせておく…

ようやくベケットを

伯母夫婦から図書カードをいただいたので、買おう買おうと思いながらずっと買ってなかったベケット『ゴドーを待ちながら』を購入。ついでにシュヴァープ『魅惑的なアルトゥール・シュニッツラー氏の劇作による魅惑的な輪舞』も買った。

ティルソ・デ・モリーナ『セビーリャの色事師または石の招客』

これもドン・フアンもの。作者のティルソはスペイン戯曲史ではロペ・デ・ベーガとカルデロンを結ぶ存在として重要だという。バロック演劇名作集 (スペイン中世・黄金世紀文学選集)作者: カルデロンデラバルカ,Calderon・de・la・Barca,岩根圀和,佐竹謙一出版…

アレクセイ・トルストイ『ドン・ジュアン』

このあいだ古本屋でたくさん戯曲を買い込んだので、本日よりしばらく戯曲祭りを開催。つんである戯曲作品もついでにいくつか消化しておこう。 まずは三人のトルストイのうち個人的にお気に入りのA.K.トルストイ。ちなみにA.N.トルストイは未読。L.…

ニコライ・ゴーゴリ『ペテルブルグ物語』

ロシア幻想文学といえば、ゴーゴリ−ドストエフスキー−ブルガーコフ−ペレーヴィンなどの現代作家、というラインで語られることが多い。このうちドストエフスキーやブルガーコフは大好物で、現代作家にも好きな作家が多い私だが、ゴーゴリについては軽めの喜劇…