書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

孟郊「燭蛾」

燭蛾 ともしびの前に 舞う蛾がふたつ なぜそれほどに 生を厭うか 飛び来たった おまえの心をおもう 明かりをにくみ 滅びをにくまぬ もし天が百尺の高さなら きっと行って明月を覆うだろう 孟郊は中唐の詩人。この暗さが好きだ。あと結句の発想の奇抜さは特筆…

余華とか

今月はあまり買いたい本がないからお金を溜めておこうと思った。そう思ってるときに限って、予期せぬおもしろそうな本が出たりするわけだ。 まずは余華『兄弟』上下巻。これは中国ではけっこう話題になったと聞く。この人の翻訳本が出るのは久しぶりじゃない…

アンナ・カヴァン『氷』

氷作者: アンナ・カヴァン,山田和子出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/06/04メディア: ハードカバー購入: 7人 クリック: 99回この商品を含むブログ (60件) を見る これは今までとはまったく異なった形で進行している現実なのだ。(215ページ) 異常…

小林めぐみ『片手間ヒロイズム』

片手間ヒロイズム (一迅社文庫 こ 1-1)作者: 小林めぐみ,結城心一出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2008/06/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (55件) を見る 「ところで大嶋先生、両生類以降って言いましたけど、魚は変態なんか…

とうとう

地元の本屋から早川文庫と創元文庫が消えてしまった。 これで海外文学文庫は新潮文庫の一部と光文社古典新訳文庫が残るのみ(それもドストエフスキーなどの人気作家だけ)。 いやまあ、この店ではライトノベルくらいしか買わないから、私自身は別にいいんだ…

紀繇『閲微草堂筆記』

中国怪異譚 閲微草堂筆記〈上〉 (平凡社ライブラリー)作者: 紀〓,前野直彬出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (5件) を見る中国怪異譚閲微草堂筆記 下 (2) (平凡社ライブラリー き 9-2)作者: 紀…

デレク・ウォルコット『オデッセイ』

もう6月も20日だというのに、これで今月二冊目だぜ。しかも消化不良気味。作者はセントルシアの人だが、英語圏なので南米文学ではなくナイポールと同じくイギリス文学カテゴリに入れておこう。オデッセイ作者: デレクウォルコット,Derek Walcott,谷口ちか…

教育実習中です

残り三日。なんかもうふらふらでろくに本が読めてません。とはいうものの考えてみれば、高校生時代と少し似た生活を送ってるわけで、高校三年生のころはそれなりに読めてたんだから、いままるで読めないというのは私の体力が減退した証拠だろうなあ。 アーサ…

アブー・ヌワース『アラブ飲酒詩選』

アラブ飲酒詩選 (岩波文庫)作者: アブーヌワース,塙治夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1988/01/18メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (10件) を見る 私の友は皆悪漢で きらめく星のような仲間連れ。(32ページ) 8、9世紀のアラブの…

6月注目の海外文学新刊・新刊予定リスト

ポトツキ『サラゴサ手稿』が東京創元社の刊行リストから消えてしまったのがショックで何も考えられません。それでもカヴァン『氷』の復刊をはじめ、見るべきものはある月かと。 岩波書店 ヴァレリー『エウパリノス 魂と舞踏 樹についての対話』 ムージル『三…