書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

翻訳

孟郊「燭蛾」

燭蛾 ともしびの前に 舞う蛾がふたつ なぜそれほどに 生を厭うか 飛び来たった おまえの心をおもう 明かりをにくみ 滅びをにくまぬ もし天が百尺の高さなら きっと行って明月を覆うだろう 孟郊は中唐の詩人。この暗さが好きだ。あと結句の発想の奇抜さは特筆…

盧仝「思う所有り」

今はガルシア・マルケスの『迷宮の将軍』とアラバールの『戦場のピクニック』を読んでいるところ。 さて、たまには訳詩でも載せてみよう。きっと誤訳だらけなので有識者の指摘求む。 「有所思」 かの時、我は乙女の家に酔いたり 乙女のかんばせ あてなること…

盧仝「嘆昨日三首」

中唐の詩人・盧仝の詩「昨日を嘆ず」を訳してみた。 昨日の日に追いつくことはできず 今日の日も瞬く間にすぎさる こうしてこうして、またこうして 青年の心は死に、白髪が生じる 秋風が枯葉を散らし、旅人は断腸の気持ち 一斗の酒だけが憂い顔を晴れさせる …