書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

谷川流『涼宮ハルヒの分裂』

 『涼宮ハルヒの分裂』も読了。5巻以降、ちょっとマンネリの気配が漂い始めたところへ、かなり明確な敵対勢力を投入して読者の緊張を煽っている感じ。キョンの旧友・佐々木さんが女性だってのはなんとなく予想がついたけど――セリフ回しが病院坂黒猫西尾維新きみとぼくの壊れた世界』の登場人物)の喋り方に似ていたし――、ここまで重要な役柄が振られるとは思ってなかった。続刊『涼宮ハルヒの驚愕』のカバーイラストは佐々木さんが務めるだろうと予想(対抗:順番通り朝比奈みくる、大穴:ここへきてキョン、ってところかね)。佐々木さんサイドでは、ほかに九曜の異様な存在感が際立ってる。それに対応して株を上げてるのが長門……ではなく喜緑さん。喫茶店シーンの活躍ぶりはえらく頼もしい。3巻で彼女が初登場したとき、これほどの存在になるとは誰が予想したろうか。
 巻の後半から構成が急に複雑になっている。なるほど、ページ上部の余白が広いのはこれをやるためだったのね。そして「分裂」が解決しないまま、緊張が増したところで「次巻に続く」。
 ともあれ面白かった。続刊『涼宮ハルヒの驚愕』は6月1日予定とか。楽しみに待とう。

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)