ヘルベルト・アハターンブッシュ『長靴と靴下』
ドイツ現代劇・8冊目。
ちょっと前に読了していたものの、(以下略)。これらのドイツの現代劇は、どれも難解でうまく消化しきれてないため、おすすめマークをつけていないけど、読み応えがあることは確か(だから「ドイツ現代戯曲選」シリーズの講読を続けているのである)。みんなもこのシリーズを読もうぜ。
- 作者: ヘルベルトアハターンブッシュ,Herbert Achternbusch,高橋文子
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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ただ、ポプラにまだオレンジがなっているか、知りたかっただけなの。(23ページ)
不条理劇。アリゾナかバイエルンか、どこだかわからない場所で、老夫婦のヘルベルトとファニーが脈絡のない対話や独白を繰り広げる。
感想を一言で述べると――よくわからん。脈絡をはっきりつかむことはできないし、する必要もない、と訳者が解説で述べているのを見てほっと安心した次第である。作者もはっきりした意味を観客や読者に伝えることを望んでいるわけではないらしい。
それならば、ときおり挟み込まれているシュールな情景やセリフに笑ったり緊張したりして楽しむのが正解なのだろう。シュールということにかけては、確かに人後に落ちない作品だ。