書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

冲方丁『スプライトシュピーゲル 2』

 期待通りのクオリティ。面白さの原因はやっぱり速さ&熱さ、かな。『オイレンシュピーゲル』2巻にひけを取らぬ燃え燃えな展開には手に汗握ることしきり。中でも一番熱いのはモリサンこと杜麟太郎だろう(カッコイイ老人を描ける作家は面白い作家である、というのが私の中では定説になっている)。『オイレンシュピーゲル』の三人娘が、セリフはないながらも存在感を示しているあたりも熱い。「ワザモノがあそこにもう一人いる」(353ページ)とか、もう、ぐっときた。『オイレンシュピーゲル』ともども、三冊目も読むよ。