古龍『マーベラス・ツインズ(1)』
原題は『絶代双驕』。いくら残念な邦題になっていても、古龍となれば読まないわけにはいかない。
マーベラス・ツインズ (1)謎の宝の地図 (GAMECITY文庫)
- 作者: 古龍,藤田香,川合章子
- 出版社/メーカー: 光栄
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: 文庫
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ジャケットはあれだが、内容的にはいつもの古龍――いや、若い登場人物が多いせいか、金庸に近い印象を受ける。話の勢いとキャラの魅力は言うことなし。
各所で不安視されていた訳文についてだが、「悪童」に「ワルガキ」というルビを振るなど、どうも必要以上に若年読者を意識している感じがしてちょっと鼻につくが、気にしなければ気にならない程度ではある。ただ、残念ながら完全に忠実な訳とはいかないようで、ネットに上がっている原文と比べたところ、どうやらはじめの10章ぶんくらいが削られているらしい。また、章立てもいくらかいじられているようだ。
それでも面白く読めることは確かだし、古龍の作品は日本語に訳される機会も多くないので、続刊には付き合う予定。原作は大作なので十巻近くになるのだろうが、まあ期待して待とう。