ジーン・ウルフ『拷問者の影』
拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ジーン・ウルフ,小畑健,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/04/23
- メディア: 文庫
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前に「未来の文学」シリーズで出たこの作家の『ケルベロス第五の首』にはついていけないところが多々あったので、この「新しい太陽の書」が前に復刊したときもスルーしていたのだけれど、未訳分まで含めて新装版が出るというので、一念発起して読んでみた。
……うん、大丈夫だ、思ったよりとっつきやすい。
思わせぶりな書き方や、そこだけ読んだだけでは意味の分からない個所なども多く、重要な部分を読み落としているんじゃないかという不安はつきまとうものの、陰鬱にして絢爛たる世界観に浸っているだけでも充分楽しい。
第二部『調停者の鉤爪』ももう間もなく発刊するので期待。この巻の最後のところ、第一部の終わりとしてはけっこう唐突な切れ方をしているので、第二部がどう展開するのか、その点でも楽しみだ。