書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

余華とか

 今月はあまり買いたい本がないからお金を溜めておこうと思った。そう思ってるときに限って、予期せぬおもしろそうな本が出たりするわけだ。
 まずは余華『兄弟』上下巻。これは中国ではけっこう話題になったと聞く。この人の翻訳本が出るのは久しぶりじゃないかな。私は読んだことない作家なので、この期に試してみたい。

兄弟 上 《文革篇》

兄弟 上 《文革篇》

 まあ折角訳された姜戎や蘇童や閻連科もまだ読んでないんだがな。

 あとは藤原書店から出た韓国文学。

光州の五月

光州の五月

 出版社のページを見てわりとノンフィクションに近い、硬いものかと思っていたのだけれど、本屋でぱらぱらめくってみると、会話も軽めのようだし、閻魔大王との対話シーンなどもあって、これはどうやらマジックリアリズムの系譜のようだ。価格があれなのがきついが読んでみたい。
 藤原書店といえば、高銀詩集も出したし、またこの秋から黄皙暎の大長編『義賊』を出すとか。今後は韓国文学にも力を入れていく方針なんだろうか。藤原書店なら文学ヲタの期待に背かぬ硬派な韓国小説を出版してくれそうだ。とりあえず李文烈『英雄時代』の翻訳を激しく希望。