ライナルト・ゲッツ『ジェフ・クーンズ』
論創社の「ドイツ現代戯曲選30」、これでいちおう、全巻読了。
- 作者: ライナルトゲッツ,Rainald Goetz,初見基
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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調和が重要だ
全然違うよ
だめだめ やめろ 嘘だ 誤りだ
その反対で
調和の否定が重要なんだ(155ページ)
現代アメリカの実在の芸術家ジェフ・クーンズと、その妻だったイタリア女優チッチョリーナを題材にした戯曲作品。
独白・対話・ト書きの区別や、前後の脈絡、全体の構成、そういったものははなから放棄した異様なテクスト。芸術家の制作シーンもあるにはあるが、わけのわからないスピーチやら、ベッドシーン、薬物乱痴気騒ぎ、暴力シーンなど、まあ品の悪いシーンのオンパレード。
正直、ついていけなかった。
それはまあ、面白い表現や意外な文章がないわけではないけど、どうにも散漫すぎる上、各場面のお下劣なところも読んでいて気持ちいいていのものではない。上演のさいはかなり大胆に手を入れて演出するようなのでともかく、読む芝居としてはちょっときつい。