衛斯理『妖火』
妖火
衛斯理 著
上海書店出版社
2008年9月
語り手の衛斯理は、大晦日にたまたま出会った金持ちの老人・張海竜から、失踪した生物学者の息子・張小竜の行方を探して欲しいと依頼される。張小竜の行方と彼の研究の謎を追ううち、同じく張小竜を探す者たちが次々に死を遂げていく。
香港の作家ゲイ匡が主人公の名前を筆名にして書いたSF小説シリーズの一冊。ゲイ匡は日本の金庸ファンの間では「阿紫の眼を潰した人」として知名であるが、彼自身の作品は翻訳されていないと思う。
SFとしての道具立てはさすがに斬新とは言い難いが、次々新たな展開が発生して話が進んでいくのでなかなか本をおく間がない。ジャンルは違えど、ここらへんは金庸とも通じるものがあるか。
…続巻ものだというのに気付いたのが買った後だという間抜けな話。詳しい感想は続編『真菌の滅』を読んでからまた書く。