衛斯理『真菌の毀滅』
真菌之毀滅
衛斯理 著
上海書店出版社
2008年9月
香港の作家・ゲイ匡が主人公の名前を筆名として発表したSFシリーズもので、『妖火』の続編。秘密組織に拉致され海底の基地に連れてこられた衛斯理は、そこに捕らわれていた張小竜とついに会う。組織の首領は、張小竜の協力が得られるよう説得せよ、と衛斯理を脅す。しかし張小竜は、自分一人で組織を壊滅させる策があると言う。
うーむ。食い足りない。
スカスカの字組みで180ページほどの本とはいえ、ほとんど一日半くらいで読みきってしまえたのは、ストーリーの進展が速いのと内容が読みやすいためではあるんだが、しかしそのために食い足りない。
SFとしての発想の面白さはさすがにほとんどないので、あとは筋運びの面白さだけということになる。それがないかといわれれば、いやある、とは思うのだが……。
食い足りない。
しかしまあ、読みにくければわずらわしいといい、読みやすければ物足りないといい、お前はどんなのなら満足するんだと言われると、反論しようもないのだけれど。後期作品は作風も変わっているらしいから、いずれそっちも読んでみるかね……。