書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

群馬のスネークセンターに行ってきたので写真をアップする。

 ふと思い立ってさる3月16日に群馬はスネークセンターへ行ってみたので写真と感想をば。
 写真が多いのでナローバンドの人はご注意を(先ごろツイッターで流行ってた、PCにまつわる懐かしい決まり文句)。


 東京駅から電車に揺られることおよそ二時間半。浅草から特急が出ているのでそれに乗ればもう少し早く到着できる。

 駅のそばに林立する謎のバス停。「秘境」群馬にふさわしいファンタジックでシュールなオブジェ。

 駅から徒歩15分ほどか。スネークセンターに到着。

 内部を見学できる主な設備は採毒室、資料館、毒蛇温室、熱帯蛇温室、大蛇温室。あとはアオダイショウ・シマヘビ・マムシの野外放牧場があるが季節柄まだ一匹も出てきていなかった。あと一月は待たなければならないか。

 まずは資料館の標本から行ってみよう。正直ここの展示が一番よかった。

 エメラルドツリーボアの骨格標本。隣に展示されてた、倍以上の全長を持つレティックパイソンより牙が長い。これは怖い。

 同じくキングコブラ骨格標本

 巨大なフミキリヘビの液浸標本。できれば生きている個体を見たかった。

 こちらはカサントウの剥製標本。死んでいても格好いい蛇。これもできれば生きているのを……。

 我が家でも飼育しているショカーアレチヘビの液浸標本。前二種には及びもつかないにしろ、やっぱりそれなりに大きくなるんじゃないか。うちのも大きなケージに移せばもっと成長するのかも。


 ではぼちぼち生体に行ってみよう。あーゆーれでぃ?


 採毒室で展示されていたカパーヘッドことアメリマムシ。かなりの美蛇。採毒室には他にも何種類かの毒蛇・無毒蛇が展示されていた。

 熱帯蛇温室で展示されていた、世界最強の呼び声高いブラックマンバ。やや細身だが長い。

 同じく熱帯蛇温室のグリーンマンバ。毒蛇無許可飼育事件で飼育者を噛んだやつ。ケージの奥のほうにいたせいで鮮明に写ってない。携帯電話ではなくまともなカメラを持っていくべきだった。


 ナミヘビ科の中では特に強毒といわれるブームスラング。大きくて美しい、魅力たっぷりの種。特に見たかった蛇のひとつ。この個体のほか、採毒室では全身黒化した個体も展示されてた(プラケースで……)。

 サハラツノクサリヘビ。頭は三角というより丸い。二本の角がついており、鱗はキールでとげとげ。手のひらサイズという大きさもあいまって、なんだかオモチャ的な雰囲気。悪すぎな目つきもかえってかわいい。

 見た目の印象は「ものすごく普通」。トウブブラウンスネークという名前も非常に普通な感じが漂う。でもオーストラリアで一番多く人を殺している毒蛇はこいつだという。

 沖縄のハブ親分。生きているのを見たのは初めて。

 本州産のヘビでは一番派手なヤマカガシ。これも初めて生きているのを見る。ナミヘビ科のヘビで人を殺したことがあるという種はブームスラングなどごく一部。こいつはそのひとつ。

 とっても残念な写真だがミナミオオガシラ。上の連中と比べると毒性は大したことないが、グアム島で七種の鳥を絶滅に追い込んだ悪名高きヘビ。逆に従来の生息地であるオーストラリアでは外来のオオヒキガエルによって生息数を減らしているという。日本では特定外来生物に指定されている。一番見たかったヘビであり、そのヘビがこんなポーズをしていて顔を拝めなかったのは痛恨の極み。



 タイパン、パフアダー、キングコブラ。世界でもっとも危険な毒蛇、という話題になったらいずれも必ず名前が挙がる種。

 大蛇温室のボアコンストリクター。美しい個体だが、動物園には必ずいる種であり、わざわざ群馬まで行って見るほどのもんでもない。

 キイロアナコンダ。これはちょっと珍しいかも。昨年は繁殖に成功して一部個体がペットルートで流通していた。

 アメジストパイソン。ボア科で特定危険動物に指定されている6種の中では一番好きなヘビで、名古屋東山動物園では6種のうち唯一飼育されていないヘビ。というわけで特に見たかったヘビのひとつだが、ケージの一番奥の隅にいて顔とかをじっくり観察できなかった(こんなんばっかりや)。


 感想。感想ね。初めて姿を拝むことができた種は多いので、もちろん行ってよかったとは思う。ただ施設の寂れっぷりはなんとも切ない。熱帯蛇温室にはキングコブラの電動模型があったが、これが人が近づくと寄ってきて頭を振り下ろすだけという代物。あちこち剥げている上、尾部が折れてる(どうみても総排泄孔より上、つまり実物なら致命傷になる場所で)。
 検討はずれな期待だったのだろうが、ナミヘビ科のヘビもたくさん見られると思ってたんだが、ブームスラング、ミナミオオガシラ、ベアードラットスネークなどほんのわずか。家庭での飼育が困難なナンダなどを見たかったのだが。ボアコンとかバーミーズパイソンみたいなどこにでもいる大蛇はいらないからそういうの見せてよ、というのは本音。実はバックヤードにはもっといろんな種類がいるんだろ、出してくれよ……などと勘ぐってもみたり。
 一番残念だったのは、食堂が営業してなかったこと。マムシ料理を食べられると思っていたんだけどな。
 近くの動物園の爬虫類館が物足りない人にはおすすめではある。