書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

フローベール『三つの物語』の「聖ジュリアン伝」

〇教科書に写実主義の代表みたいな扱いで載ってる作家こそ、実はファンタジー大好きだったりするんだ。

 〇フローベールの短編「聖ジュリアン伝」は、聖の字に反して血まみれの物語。中世のある城主の子として生まれたジュリアンは、幼少期にネズミを殺したことからハンターの気質に目覚める。目につく動物を殺して殺して殺しまくる。いつも通りのある殺戮の夜、仕留めた雄鹿から「おまえはいずれ両親を殺す」という予言を授かる。予言のとおりに母親を傷つけ、城を出奔したジュリアン。曲折を経て皇帝の娘婿となり、しばし平和なときを過ごす。だが息子を探して訪問してきた両親を誤って殺害してしまう。ジュリアンは再び放浪の身となる。

 命が鴻毛のように軽く、動物が話し、予言は必ず当たる時代の話。嗜虐が自虐になりいたって自然に神聖にいたる不思議。ラストは絵的にはまったく美しくないボーイズラブじみた抱擁と昇天シーン。きれいはきたない、きたないはきれい。

 んー自分の言語化の下手さが厭になるな。読めばわかるよ。

三つの物語 (光文社古典新訳文庫)

三つの物語 (光文社古典新訳文庫)

 

 

〇今日のゲームは艦これのみ。まるゆガチャをまわしつづけているが成果はいまいち。秋刀魚もほとんど出なくなった。