書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

山県石雄『戦う司書と荒縄の姫君』

実はこの世界は、あたしのものなんです。(101ページ)

 「戦う司書」シリーズ第六弾。主役級の重要人物が死亡し、武装司書と神溺教団との戦いがいちおうの決着をみる、おそらくはシリーズの区切りとなる巻。
 この巻をシリーズの最高傑作に推す声を聞くが、その評価も確かに納得の面白さ。いや、まあ、このシリーズは毎巻きちんと楽しませてくれるのだけれど、中でも盛り上がりに富んだ巻だったということで……。
 このシリーズの魅力は、主人公たちにふりかかる難題が読者の予想を超えて大きいため、彼らがその難題を乗り越えたときのカタルシスもまた法外なものになることによるのだろう。巧みな構成でもってそれを効果的に演出しているのと、予想もつかない因果で難題が覆るところもよい。そして、中でもこの巻は、戦いの規模がおそろしく巨大であるので、おもしろくならないはずはないのだ。
 さて次の第七巻を読めば、ようやく最新の巻に追いつけるな。もうそろそろ第八巻も出そうな気もするけれど。