書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新潮社の単行本二冊

愛その他の悪霊について作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,旦敬介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/08/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (24件) を見る海に帰る日 (新潮クレスト・ブックス)作者: ジョ…

ちょっくら金沢へ行ってきます。ノシ

『ティラン・ロ・ブラン』

岩波書店がまたやってくれるらしい。本棚の中の骸骨によると、9月下旬にジュアノット・マルトゥレイ 『完訳 ティラン・ロ・ブラン』が刊行されるとのこと。これは『ドン・キホーテ』の書物詮議の場面において、ドン・キホーテの大量の騎士道小説コレクションの…

岐阜の古本屋

母校に用があったので、久々に岐阜の街を訪れた。ついでに岡本書店と我楽多書房にも寄ってみた。もう五年ぶり近いな。岡本書店にて久生十蘭『魔都』、我楽多書房にてヘッセ『ガラス玉遊戯』、ムージル『愛の完成/静かなヴェロニカの誘惑』、瞿佑『剪燈新話…

稲垣足穂『一千一秒物語』

キャラクターもなし。ストーリーもなし。緻密な構成も、洗練された修辞もいらない。そんなものなくとも面白い小説は書けるものなのだ。一千一秒物語―稲垣足穂コレクション〈1〉 (ちくま文庫)作者: 稲垣足穂出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01メディア…

ハヤカワ文庫SF

今日はハヤカワ文庫の発売日。とりあえずSFだけ。キルン・ピープル 上 (ハヤカワ文庫 SF フ 4-19)作者: デイヴィッド・ブリン,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/08/25メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (46件) を見るキルン…

ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(上)

時は19世紀後半、世界の大洋の各地で謎の巨大生物が目撃されていた。学者のアロナックスはこの怪物を退治するためリンカーン号に乗り込むが、怪物の正体は――。 ヴェルヌの代表作たるこの作品、これぞSF、これぞ本物の冒険小説といった感じの傑作だ。細か…

竹宮ゆゆこ『とらドラ!』

目つきが悪いため怖れられているが本当は大人しい男・竜児と、小柄ながら噛みつき屋な性格で怖れられている大河が、ひょんなことからお互いの恋のために協力しあうようになる、というラブコメ小説。恋愛に発展しそうで発展しない竜児と大河の微妙な関係が売…

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より墜ち』

ティプトリーを読むのははじめて。前々からこの作家のものを何か読もうと思っていたところ、ちょうど未訳長篇が翻訳出版されたので、この機会に試してみた。輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6) (ハヤカワ文庫SF)作者: ジェイムズ・ティプトリー・…

三省堂にて、岩波の新刊のヴェルヌ『海底二万里(上)』、戦う司書シリーズ第4巻の山形石雄『戦う司書と神の石剣』、評判がよさそうだったので竹宮ゆゆこ『とらドラ!』を買った。

岩波文庫赤の今月の新刊とか

そういえば17日に岩波文庫が出たんだった。今月の赤帯はロペ・デ・ベガ『オルメードの騎士』、プリーストリー『イングランド紀行(上)』、ヴェルヌ『海底二万里(上)』の三冊。オルメードの騎士 (岩波文庫)作者: ロペ・デベガ,Lope de Vega,長南実出版社…

山形石雄『戦う司書と黒蟻の迷宮』

なんだかんだで三冊目。戦う司書と黒蟻の迷宮 (戦う司書シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 山形石雄,前嶋重機出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/04/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (80件) を見る 死者はすべて「本」…

ペーター・トゥリーニ『ねずみ狩り』

ドイツ現代劇・12冊目。ねずみ狩り (ドイツ現代戯曲選30)作者: ペータートゥリーニ,Peter Turrini,寺尾格出版社/メーカー: 論創社発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 「(別の写真を見せる)これは? おばあ…

三島由紀夫『絹と明察』

恥ずかしながら初ミシマ。絹と明察 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1987/09/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る しかし美しかるべき絶妙の瞬間を駒沢は裏切った。 寿司をつまむ手こそ休…

ダヌンツィオ『快楽』

松籟社からダヌンツィオ『快楽』が出た由。九月刊行予定と書いてあった気がしたけど、予定より早く出版準備ができたということかな。快楽―薔薇小説〈1〉 (薔薇小説 1)作者: ガブリエーレダヌンツィオ,Gabriele D'Annunzio,脇功出版社/メーカー: 松籟社発売日…

盧仝「嘆昨日三首」

中唐の詩人・盧仝の詩「昨日を嘆ず」を訳してみた。 昨日の日に追いつくことはできず 今日の日も瞬く間にすぎさる こうしてこうして、またこうして 青年の心は死に、白髪が生じる 秋風が枯葉を散らし、旅人は断腸の気持ち 一斗の酒だけが憂い顔を晴れさせる …

タンクレート・ドルスト『私、フォイアーバッハ』

ドイツ現代劇、11冊目。論創社「ドイツ現代戯曲選30」第5巻。作者は1925年生まれだから、このシリーズの中ではかなりベテランの部類だな。私、フォイアーバッハ (ドイツ現代戯曲選30)作者: タンクレートドルスト,Tankred Dorst,高橋文子出版社/メー…

イアン・ワトスン『黒き流れ』三部作(『川の書』『星の書』『存在の書』)

ようやく三冊完読。先月下旬から読み始めたことを考えると、随分長くかかったもんだ。川の書 (創元SF文庫―黒き流れ)作者: イアンワトスン,Ian Watson,細美遥子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1994/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 18回この商品を…

ブログはじめました

更新が楽そうなのと、マイナーな海外文学を紹介するのに普通のウェブサイトより宣伝効果があがりそうなのとで、ブログに移行することにしました。今後も海外文学の紹介を中心に活動しますので、どうぞよろしくお願いします。 過去ログなんぞがある程度ないと…

夏目漱石『行人』をブックオフで購入。

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ブレーメンの自由』

ドイツ現代劇、10冊目。論創社のドイツ現代戯曲選もこれでようやく3分の1を読了したことになる。全30巻読破はまだまだ遠い。ブレーメンの自由―ゲーシェ・ゴットフリート夫人 ある市民悲劇 (ドイツ現代戯曲選30)作者: ライナー・ヴェルナーファスビンダ…

面白そうな海外文学の新刊は、今月はそこそこの数だけど、来月はかなり多い。 まず岩波は、文庫でガスカール『けものたち 死者の時』というフランス劇が、単行本でナイポール『魔法の種』が刊行。河出文庫はトポール 『幻の下宿人』というフランス・ブラック…

イアン・ワトスン『星の書』

なんかまあ……すごいね。最終巻『存在の書』はこれから読み始める。星の書 (創元SF文庫―黒き流れ)作者: イアンワトスン,Ian Watson,細美遥子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1994/06メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (20件) を見る

エリック・マコーマック『パラダイス・モーテル』

この本は絶版なので、マコーマックに興味があるならまずは昨年文庫化された『隠し部屋を査察して』を読んでみよう。で、相性がよさそうだと思ったら古本屋か図書館でこの本を探してみるといい。 マコーマックも翻訳が止まってるなあ。またこの人の短篇が読み…

谷崎潤一郎『武州公秘話』

というわけで、とりあえず谷崎から。 うん、面白い、面白いよ? でも、なんか普通感がある。物語にはドキドキするけど、人物にはドキッとする場面がない。あんまり本を読まない人に薦めるなら谷崎だけど、幻想・耽美文学オタクに薦めるなら谷崎より泉だな。…

この夏は日本文学の読書を増やそう、と思い、稲垣足穂『一千一秒物語』、谷崎潤一郎『武州公秘話』、三島由紀夫『絹と明察』、飛浩隆『グラン・ヴァカンス』を買ってきた。特に真ん中二人はこれまで食わず嫌いしてきたけど、まあともかく読んでから判断しよ…

ウィリアム・シェイクスピア『じゃじゃ馬ならし』

レチフはなかなか集中して読めないのでいったん中止してこちらを読んだ。私には「眠いとき、集中できないときのための作家」が何人かいるのだが、シェイクスピアはその筆頭である。読みやすい、短い、未読作品が多い、良質な訳本がある、質が保証されている…

世間の学生たちは夏休みに入ったのに、私はまだ忙しい。睡眠不足で読書に集中できない。――とはいえ社会人に比べれば時間はあるはずだから、むしろ時間の使い方が下手なだけか。