書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

アメリカ文学

R.A.ラファティ『昔には帰れない』

昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)作者: R.A.ラファティ,R.A. Lafferty,伊藤典夫,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/11/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (27件) を見る わかりきったペテンに手もなくひっかかるの…

スティーヴン・エリクスン『碧空の城砦 1』

碧空の城砦1 (マラザン斃れし者の書)作者: スティーヴン・エリクスン,佐伯経多&新間大悟,中原尚哉出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/07/10メディア: 文庫 クリック: 22回この商品を含むブログ (13件) を見る ハイ・ファンタジーの戦争もの。マラザン…

トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』

競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)作者: トマス・ピンチョン,志村正雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/04/07メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 63回この商品を含むブログ (46件) を見る 「あなた、ズボンの前があいてます」(259ページ) これ、…

パトリシア・マキリップ『茨文字の魔法』

茨文字の魔法 (創元推理文庫)作者: パトリシア・A.マキリップ,Patricia A. Mckillip,原島文世出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/01/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (16件) を見る レイン十二邦には王の崩御と若い女王…

ワシントン・アーヴィング『ブレイスブリッジ邸』

ブレイスブリッジ邸 (岩波文庫)作者: アーヴィング,齊藤昇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/11/13メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (8件) を見る そうだとしてもなお、そのような夢を 育んだ時代にいた彼らを、 私は羨まないではいら…

ニール・サイモン『おかしな二人』

ニール・サイモン〈1〉おかしな二人 (ハヤカワ演劇文庫)作者: ニールサイモン,Neil Simon,酒井洋子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/09/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (15件) を見る 今のおれたちのやり方はどうも間違…

ジョン・スラデック『見えないグリーン』

見えないグリーン (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョンスラデック,John Sladek,真野明裕出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/09/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (43件) を見る 「典型的な事件だ。パルテノンの神殿にも…

ジーン・ウルフ『拷問者の影』

拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)作者: ジーン・ウルフ,小畑健,岡部宏之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/04/23メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 129回この商品を含むブログ (89件) を見る はるかな未来世界、拷問者ギルドの徒…

アーサー・ミラー『セールスマンの死』

アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)作者: アーサー・ミラー,倉橋健出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/09/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 47回この商品を含むブログ (33件) を見る いったいいつになったら、大人になるんだ…

ウィリアム・サローヤン『わが心高原に』

サローヤンを読むのは初めて。ウィリアム・サローヤン〈1〉わが心高原におーい、救けてくれ! (ハヤカワ演劇文庫)作者: ウィリアムサローヤン,William Saroyan,倉橋健出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/01/24メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 16回この…

ユージン・オニール『楡の木陰の欲望』

というわけで戯曲を読んだ。楡の木陰の欲望 (岩波文庫 赤 325-1)作者: ユージーン・オニール,井上宗次出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1974/01/01メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含むブログ (2件) を見る 音楽だって追っ払えねえ――あの何かを。(…

キャシー・アッカー『血みどろ臓物ハイスクール』

読み終わったのは昨日の深夜。学期が始まる前に読みきれてよかった。こんなの電車の中では絶対に読めないからな。血みどろ臓物ハイスクール作者: キャシーアッカー,Kathy Acker,渡辺佐智江出版社/メーカー: 白水社発売日: 1992/09メディア: 単行本購入: 2人 …

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より墜ち』

ティプトリーを読むのははじめて。前々からこの作家のものを何か読もうと思っていたところ、ちょうど未訳長篇が翻訳出版されたので、この機会に試してみた。輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6) (ハヤカワ文庫SF)作者: ジェイムズ・ティプトリー・…

ジョージ・R・R・マーティン『王狼たちの戦旗 5』

『氷と炎の歌』第二部はこれにて完結となる。 クライマックスたるキングスランディング攻防戦の描写が壮絶。ラニスター家の優勢はこの一戦で確実になったようだが、第三部でスタンニスの巻き返しはあるのか、そして、ここしばらく伝聞が記されるのみで登場場…

アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』

『虎よ、虎よ』がSF屈指の名作に数えられる理由はわからなかったんだけど、この『ゴーレム100』の凄さはわかった。くだらないパルプだと切り捨てる人がいても驚かないけどね。ゴーレム 100 (未来の文学)作者: アルフレッドベスター,Alfred Bester,渡辺…

ジョージ・R・R・マーティン『王狼たちの戦旗 4』

『王狼たちの戦旗(4)』は、実はもう読了した。宮廷陰謀劇や戦記ものとしての面も相変わらず強いけど、ここへきて急激にファンタジー色が強くなりつつある。それがまた物語の波瀾を激しくしていて、もうシリーズ9冊目だというのに、話のテンションが一向…

ソーントン・ワイルダー『わが町』

悪くないんだけど、ちょっと軽すぎるよなあ。メタフィクション性もぜんぜん甘いしね(古典だからという言い訳は通用しない。もっとずっと古いコルネイユ『舞台は夢』は、もっとずっと鮮やかにメタ性と筋の展開をからめている)。「ドイツ現代戯曲選」は(こ…

コードウェイナー・スミス『第81Q戦争』

SF短篇集積読消化プロジェクト、第一弾。これでコードウェイナー・スミスの翻訳本は全て読了したことになる。第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)作者: コードウェイナースミス,Cordwainer Smith,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1997/02/0…

ジョージ・R・R・マーティン『王狼たちの戦旗 3』

中盤、大物中の大物たるあの人物が唐突に不条理に落命するという、予想外の展開が待ち受けていた。第二部スタート以来作品中に漂っていた不穏の空気が、ここへ来て一気に色濃くなった。第二部の結末にはいかなる破局が待ち受けているのか……次巻が楽しみ楽し…

ジョージ・R・R・マーティン『王狼たちの戦旗 2』

この巻の見所はやはり、美人の女騎士が二人登場するところだろう。一人はレンリー・バラシオンの近衛騎士になるブリエンヌ。そしてもう一人は、この巻で一番インパクトがある人物といってもいいアシャ・グレイジョイ。こんなすごい娘がいれば、長いことよそ…