書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

中村九郎『アリフレロ』

 ライトノベル書評系のサイト各所で奇書と評されていたから興味を持って買ってみたけど、うーむそれほど変でもないなあ。キャラの立て方とか、視点の扱い方とかは面白いし見るべきところがあると思うけれど、ビリヤードのルールに沿って人や人でない連中が殺されていき、殺人が繰り返されるにつれてその背後の計画が明らかになっていく、というストーリーはわりとまとも。ただ、説明不足を感じさせる個所は多かったような。総じて、言われているほど良くも悪くもない作品という印象。

 ホントの奇書ってのはさあ、『ブランビラ王女』とか『巨匠とマルガリータ』とか『悪魔は死んだ』とか、あるいは今日の『夜明け前のセレスティーノ』とかのことを言うんだぜ?