書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

冲方丁『スプライトシュピーゲル 4』

「夢を見るな……矛盾するようだが、願いを叶えるには必要だ。(199ページ)

 機械化された義肢を使い公安の尖兵として働く少女・鳳たちの戦いを描いた近未来アクション小説の第四巻。スーダンの独裁者を裁く法廷が開かれることになり、鳳たちは被告・証人の双方を護衛する任務につく。

 ――まさに息もつかせぬ怒涛の展開。いつもの巻に比べてかなり分厚くなっているが(不死身ファンタジア文庫では過去最大のページ数らしい)、密度は下がるどころかぐっと濃くなっている。二転三転するストーリー、なかなかインパクトある新キャラ、強大な敵、そして話が進むに連れて明らかになる、複雑怪奇な背景事情。たっぷり燃えさせて/楽しませてもらった。そろそろ完結も近づいてきたということで、次巻にはさらなる盛り上がりを期待したい。