オウィディウス『恋愛指南』

恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫)

　カバー折り返し部分の詩人に名声と流刑をもたらした書、ローマの社会・風俗を映し出す奇書、などの紹介文を見てどんな本かと思っていたら、タイトルどおりの恋愛ハウツー本だった。三巻立ての内容になっていて、第一巻は「愛する女をものにする方法」、第二巻は「ものにした女を保持する方法」、第三巻は女性に向かって「男を愛する方法」を説く。いずれの巻も神話や古典を引きつつ、細かく具体的に愛の技術を記している。「目標の女の周囲の人間から攻略せよ」「ねばりづよくやること」「甘い言葉でおだてあげよ、ただし普段使う言葉でそうせよ、詩は軽んじられる」「身だしなみは整えよ、ただし飾りすぎるな」「相手をじらすのが有効、ただし待たせすぎるな」などなど、非常にわかりやすく、明日からすぐ使える愛の知恵が満載。
　これを読めば非モテから脱出できる……かな？