ウィリアム・コングリーヴ『世の習い』
戯曲祭り八日目。飽きたから次で終わることにする。トリにはシェイクスピア『テンペスト』を持ってくる予定。
- 作者: コングリーヴ,William Congreve,笹山隆
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 文庫
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私、人に苦痛を与えるのが大好き。(65ページ)
喜劇。ミラベルとミラマントは互いに好意を寄せ合う仲だが、ミラベルの過去の色恋沙汰や、遺産相続の問題、妨害を画策する連中などによって、なかなか結婚までこぎつけられない。
お互いの利害関係や過去現在の恋愛関係がから合う上に、みながみななかなか本音を吐かないキャラクターばかりであるため、うんざりするほど複雑な人間関係を有するドラマになっている。作品の売りはウィットに富んだセリフまわしということになるのだろうし、実際にやりとさせられたセリフもたくさんあったけれども、裏の裏まで読まなきゃならない会話の応酬には、読んでいて疲労感を感じることもしばしば。
カネの問題が恋愛問題に大きく関わっている、というよりほとんどセットの問題として扱われているのは興味深いところ。