マイクル・ムアコック『永遠の戦士コルム』全2巻
![剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF) 剣の騎士 [永遠の戦士 コルム1] (ハヤカワ文庫SF)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51QDuNnoX-L._SL160_.jpg)
- 作者: マイクルムアコック,佐伯経多&新間大悟,斉藤伯好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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![雄牛と槍―永遠の戦士コルム〈2〉 (ハヤカワ文庫SF) 雄牛と槍―永遠の戦士コルム〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51DlaOFKlnL._SL160_.jpg)
- 作者: マイクルムアコック,Michael Moorcock,斉藤伯好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/01/01
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前三部作は傑作だと思う。コルムの成長というか人格形成というか、満ち足りた環境から投げ出され、悲しみや怒りを知っていく過程の描写は、どこか神話などの始原的な物語を思わせてなかなかよい。幻想描写も相変わらずぐにゃぐにゃとねじれて強烈異様、登場してくる人物や神々、あるいは数々の道具も奇怪で楽しい。幻想小説としての完成度の高さと、ヒロイックファンタジーとしての勢いの良さやスケールの大きさを兼ね備えている。
後三部作も一気に読みとおせるだけの勢いはあるものの、スケールや異様さ奇怪さの点ではやや後退している感があるのが残念。前三部作との関連も弱く、悪くとれば蛇足とも見えてしまう。なにせ前三部作は(コルムが死亡しなかった点をのぞけば)綺麗に完結しているので。
というわけで『剣の騎士』はおすすめ。『雄牛と槍』はさらに興味があればどうぞ。