書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

中国文学

紀繇『閲微草堂筆記 上』

中国怪異譚 閲微草堂筆記〈上〉 (平凡社ライブラリー)作者: 紀〓,前野直彬出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (5件) を見る 鬼(幽霊)や狐の話を中心とする掌編小説集。『聊斎志異』とならぶ清…

莫言『転生夢現』全2巻

転生夢現〈上〉作者: 莫言,吉田富夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/02/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (18件) を見る転生夢現 下 (2)作者: 莫言,吉田富夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/02メディ…

古龍『マーベラス・ツインズ(1)』

原題は『絶代双驕』。いくら残念な邦題になっていても、古龍となれば読まないわけにはいかない。マーベラス・ツインズ (1)謎の宝の地図 (GAMECITY文庫)作者: 古龍,藤田香,川合章子出版社/メーカー: 光栄発売日: 2008/01/24メディア: 文庫 クリック: 18回この…

白先勇『げつ子』

「げつ」の字が表記できないので、不恰好だが平仮名で。「薛」の下に「子」をつけた字。Nieh-Tzu (げっし) 新しい台湾の文学作者: 白先勇,陳正醍出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2006/04/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 71回この商品を含むブロ…

古龍『楚留香 蝙蝠伝奇』三巻

楚留香 蝙蝠伝奇〈上〉 (小学館文庫)作者: 古龍,土屋文子出版社/メーカー: 小学館発売日: 1998/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (8件) を見る楚留香 蝙蝠伝奇〈中〉 (小学館文庫)作者: 古龍,土屋文子出版社/メーカー: 小学館…

盧仝「思う所有り」

今はガルシア・マルケスの『迷宮の将軍』とアラバールの『戦場のピクニック』を読んでいるところ。 さて、たまには訳詩でも載せてみよう。きっと誤訳だらけなので有識者の指摘求む。 「有所思」 かの時、我は乙女の家に酔いたり 乙女のかんばせ あてなること…

作者不詳『説唐』

中文書。中華書局、2001年9月刊。17元。 九月下旬ころからゆるゆる読み進めて読了。 「兄貴たちみんな、拝礼する必要はねえ。俺はこの皇帝ってのがつらくって厭になった。朝っぱらから起き出して、夜中になっても眠れやしねえ。なんでわざわざこんな…

『三国志演義』の終盤について

翻訳小説を読むかたわら、『三国志演義』の原書を、孔明の南蛮征伐のあたりからちくちく読み進めたりしていた。 で、ひとつ思ったのは、私はもうこの小説に冷静な評価をくだせそうにない、ということ。なにしろ思い入れが強すぎる。その一方、内容をほとんど…

盧仝「嘆昨日三首」

中唐の詩人・盧仝の詩「昨日を嘆ず」を訳してみた。 昨日の日に追いつくことはできず 今日の日も瞬く間にすぎさる こうしてこうして、またこうして 青年の心は死に、白髪が生じる 秋風が枯葉を散らし、旅人は断腸の気持ち 一斗の酒だけが憂い顔を晴れさせる …

盧仝

唐の盧仝という人の漢詩を読んでみたら、これがすげーのなんの。こんなすげー詩人があまり紹介されてこなかったとは惜しいことだ。李白杜甫ばかりが漢詩じゃないぜ。 昨日を嘆ずるの詩三種 其の二(訳:俺)天下の凡夫どもは酒に溺れ、 この玉川先生も酒に溺…

張系国『星雲組曲』

老舎『猫城記』以来の中国SFの翻訳単行本である。となれば、SFファンなら当然買うべきだし、SFファンでなくとも、中国・台湾文学に興味があるなら手を出しておくべきだろう。いやもちろん、珍しいだけの本じゃない、ちゃんと中身もある。「新しい台湾…

金庸『連城訣』全2巻

いや〜暗い小説だったな〜。モルセールかダングラールみたいな奴しか出てこない岩窟王、って感じだ。主人公が最後までモンテ・クリスト伯にならずにダンテスのままだから、余計ひどいことになってる。うむ、期待通りに面白い。連城訣〈上〉菊花散る窓 (徳間…

金庸『碧血剣』全3巻

金庸だから面白くないわけはない。が、金庸にしてはそれほど面白くない。これが正直な感想。初期作品だからかね。今なら『射?英雄伝』も文庫化されているから、金庸入門にはこっちを読んだほうがよかろうと思う。碧血剣〈1〉復讐の金蛇剣 (徳間文庫)作者: 金…