書物を積む者はやがて人生を積むだろう

和書を積んだり漢籍を積んだり和ゲーを積んだり洋ゲーを積んだり、蛇や魚を撫でたりする。

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

掲示板でちょうど馬琴の話をしていたところだったわけだが、昭和初期に出た「近代日本文学大系」というシリーズに『曲亭馬琴集』2巻があって、『頼豪阿闍梨怪鼠伝』『俊寛僧都嶋物語』『三七全伝南柯夢』などのいくつかの中篇が入っていると知り、さっそく…

デイヴィッド・ガーネット『狐になった奥様』

これぞ「佳品」といった色合いの小説だな。佳品という言葉は、小粒という意味も兼ねてしまうのだけれど。狐になった奥様 (岩波文庫)作者: ガーネット,David Garnett,安藤貞雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/15メディア: 文庫 クリック: 7回この商…

6月の月間ベスト

スロー・バード (ハヤカワ文庫SF)作者: イアンワトスン,Ian Watson,大森望出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/06/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (29件) を見る

バリントン・ベイリー『シティ5からの脱出』

SF短篇集積読消化プロジェクト、第三弾。暗いよ! 読みにくいよ! 疲れたっ! ――しかし「ドミヌスの惑星」は間違いなく傑作だと思う。シティ5からの脱出 (ハヤカワ文庫 SF (632))作者: バリントン・J・ベイリー,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: …

ジョージ・R・R・マーティン『王狼たちの戦旗 4』

『王狼たちの戦旗(4)』は、実はもう読了した。宮廷陰謀劇や戦記ものとしての面も相変わらず強いけど、ここへきて急激にファンタジー色が強くなりつつある。それがまた物語の波瀾を激しくしていて、もうシリーズ9冊目だというのに、話のテンションが一向…

ジュンク堂書店にて<未来の文学>シリーズの新刊ベスター『ゴーレム100』と、ハヤカワ文庫のマーティン『王狼たちの戦旗(4)』を購入。 で『ゴーレム100』だけど、ぱらぱらめくってみただけで異様な空気がばりばりと伝わってくる。<最狂>という帯…

アレクサンドル・ブローク『薔薇と十字架』

1995年に出た本。私は古本屋で入手したけれど、平凡社のウェブサイトを見るとまだ在庫があるようだ。書店の店頭にはほとんど残っていないだろうけど、注文すれば入手できるので、興味がある人はどうぞ。薔薇と十字架 (平凡社ライブラリー)作者: アレクサ…

ドイツ戯曲の読破が一段落ついたら、次はロシア詩でも読んでみようかしらん。古くはプーシキンから、現代のクーチク、アイギ、コーノノフ、ジダーノフとかそのあたりの、群像社や書肆山田から翻訳が出ている詩人を(高い本ばかりだけど、翻訳詩集なんてそう…

オシップ・マンデリシュターム『石』

久しぶりマンデリシュターム。やっぱりきちんと中身を理解することはできない詩が多いのだけれど、この静謐で冷然たる空気はやはりなかなか心地良いもの。それにしても詩の感想を書くのは実に難しい。詩集 石―エッセイ 対話者について (群像社ライブラリー)…

文芸サークルのΚに連れられて今池のウニタ書店へ行ってきた。小規模書店ながら文系ガチガチのむちゃくちゃ濃い品揃え。最近うちのサイトでもしばしば取り上げている「ドイツ現代戯曲選」が、なんと店頭に全巻揃っていた。このシリーズが全巻揃ってるとこなん…

『川の書』『星の書』も近々読んでみようかな……。『存在の書』はどこかで探し出すとして……。『オルガスマシン』(過激な内容ゆえにイギリスでは出版社がつかず、日本語訳版しか存在しない珍本だとか)も気になるぜ。 そして早川でも創元でもいいけど、そろそ…

イアン・ワトスン『スロー・バード』

SF短篇集積読消化プロジェクト、第二弾。『ヨナ・キット』でとっつきにくいイメージを受けたワトスンだけど、この短篇集は楽しめた。いちおし。スロー・バード (ハヤカワ文庫SF)作者: イアンワトスン,Ian Watson,大森望出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2…

塩釜口にある古書店・パウゼ塩釜へ行ってきた。目当てはブローク『薔薇と十字架』だったけど、店頭で『バロック演劇名作集』を見つけてこちらも衝動買いしてしまった(スペイン演劇にもご無沙汰)。あと名大生協で岩波の新刊のジョイス『若い芸術家の肖像』…

ボート・シュトラウス『公園』

ドイツ現代劇・七冊目。 とりあえず手元にある「ドイツ現代戯曲選」はこれで全部読んでしまったので、次をどうしようかなと思っているところ。来月になったら、アハターンブッシュ『長靴と靴下』あたりを買ってみようかな。公園 (ドイツ現代戯曲選30)作者: …

さて、このあいだ大学生協のブックスフロント(理系向け書店)に行ってみたら、ハヤカワ文庫のコーナーで「燃え萌え雑学フェア」なる企画をやっていた(公式ページはこちら)。ノンフィクション文庫に入っている、知識系の本何冊かがフェア対象らしい。で、…

ソーントン・ワイルダー『わが町』

悪くないんだけど、ちょっと軽すぎるよなあ。メタフィクション性もぜんぜん甘いしね(古典だからという言い訳は通用しない。もっとずっと古いコルネイユ『舞台は夢』は、もっとずっと鮮やかにメタ性と筋の展開をからめている)。「ドイツ現代戯曲選」は(こ…

ふー、週の後半は眠すぎてまともに読書できんわい。

生協で岩波書店15%オフフェアをやっていたので、とりあえず、買うかどうか迷っていた先月の新刊『アーネスト・ダウスン作品集』を購入した。

七月の文庫発売一覧。 クッツェーとティプトリーを繰り出してきた早川の圧勝だな。他の出版社は、続刊もの以外にはめぼしいものがない。 ――ってあれ? 光文社古典新訳文庫はどうなった? それと、岩波文庫7月の一括復刊も公開されている。むろん目玉は『オ…

ペーター・ハントケ『私たちがたがいをなにも知らなかった時』

ドイツ現代劇・六冊目。 この人は日本でもわりと人気があるのか、小説作品の翻訳はけっこうたくさんあるようだ。『反復』は書店でもよく見かける。いつか読む……かも。 当面はドイツ小説よりドイツ戯曲の渉猟を続けていこう。論創社の「ドイツ現代戯曲選」シ…

ムアコック『ギャラソームの戦士』購入。ブラス城年代記シリーズの第二部。

さて、積読になっているSF短篇集は、ラファティ『どろぼう熊の惑星』、ベイリー『シティ5からの脱出』、イーガン『祈りの海』『しあわせの理由』『ひとりっ子』、それに新刊のエムシュウィラーとワトスンだな(長篇で積読になってるのもいっぱいあるが)…

コードウェイナー・スミス『第81Q戦争』

SF短篇集積読消化プロジェクト、第一弾。これでコードウェイナー・スミスの翻訳本は全て読了したことになる。第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)作者: コードウェイナースミス,Cordwainer Smith,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1997/02/0…

エンタメ至上主義宣言! 居眠書生の50冊

基本方針。 ・エンターテイメント至上主義。 ・一作家につき一作品とする。 ・私自身の趣味に忠実に、文学史に遠慮しないで選ぶことを心がける。 ・冒険的なリストを作るため、有名な作品はあえて外す。ただし、ドストエフスキーだけは例外とする。 ・お勧め…

ハヤカワ名作セレクションで復刊されたワトスンの短篇集『スロー・バード』を購入。いつの間にかSF短篇集の積読がかなり溜まってしまっている。消化せねば。 それと、ドイツ現代劇のハントケ『私たちがたがいをなにも知らなかった時』とシュトラウス『公園…

山形石雄『戦う司書と恋する爆弾』

文章はなんだか垢抜けない感じがするし、人間爆弾という発想にも新鮮さはないけれど、物語構成はすばらしい。結末への持っていき方は鮮やかの一言に尽きる。続刊も読む……と思う。戦う司書と恋する爆弾 (戦う司書シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 山形…

エルフリーデ・イェリネク『レストハウス、あるいは女はみんなこうしたもの』

しばらく睡眠不足がひどくて、本をあまり読み進められなかった。これもようやく読了。 というわけでドイツ現代劇・五冊目。論創社のドイツ現代戯曲選の最新刊。 ノーベル賞作家ということで、たぶんこのシリーズでは一番有名な作家だろう(張り合えそうなの…

あー、と、併読しているウルフの『波』のほうは、読み終わるまでにはまだ時間がかかりそう。この濃さ、とてもすいすいとは読み進めさせてはくれない。

ローラント・シンメルプフェニヒ『前と後』

ドイツ現代劇・四冊目。 ありふれた日常を描いているのに、なぜか漂う奇妙な空気。うむうむ、この長い名前の劇作家、要注目ですぜ。多作多彩の作家ということだし、今後も翻訳が続いて欲しいもの。前と後 (ドイツ現代戯曲選30)作者: ローラントシンメルプフ…

ブックオフでアダムス『宇宙クリケット大戦争』、山形石雄『戦う司書と恋する爆弾』、冲方丁『マルドゥック・スクランブル』の1巻と3巻を購入(2巻だけ見つからなかった)。